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鳥羽歳時記 四月 「春潮」
- スタッフ日記
一日、一日と暖かさを感じる時期になってきました。
今回より、「鳥羽歳時記」と題し、鳥羽、伊勢志摩の風物について、
文筆家の千種清美先生のお話を元に、季節毎にご紹介いたします。
「春潮」(はるしお)
春になると海も穏やかになります。
また、潮の引きが強く、大きく干潟を残して引いていくのが春の海の特徴です。
特に大潮の干潮時には、普段海に隠れている岩場が見えたり、係留している船が沖の方に引っ張られているように見えます。
敷地内の桟橋付近を見ると、潮汐がよく分かります。
上の画像は大潮の日の干潮時、桟橋の基礎部分が見えています。
下の画像は同日の満潮時の様子です。
波打ち際の位置が大きく変わりました。
春の潮を詠ったものに
春潮に真珠筏のある目覚 稲畑汀子
という句があります。
鳥羽市に隣接する、志摩市の賢島で詠まれました。
また、春の季語である、「若布」、「和布蕪」、「鹿尾菜」、「石蓴」など海藻類は、
春に成長し夏には枯れてしまいます。
この時期にはホテル館内からも、大きく伸び育った海藻が、黒々と波に揺れる様を
見ることができます。
若和布より宜しきはなしいせみやげ 文校
島々は伊勢の神領ひじき干す 長谷川 櫂
江戸時代より詠まれたことからも、春の海藻は特別なものとして親しまれていました。
魅力に溢れる春の一品として、鳥羽国際ホテル メインダイニング シーホースのご朝食では、
「浅利貝とあおさのりのスープ 春潮仕立て」を新しくブッフェの一品としてご用意しています。
磯の風味と旨味たっぷりのスープです。
豊かに繁る海藻、穏やかに寄せる波、春ならではの情景が広がります。