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鳥羽歳時記 一月 「初伊勢」
鳥羽歳時記 一月
「初伊勢」
年が改まる一月。空も海も山も、そして日々の営みにもお目出度い淑気が満ちています。
初春は、旧暦の頃の名残。新暦の今は、これから寒さが最も厳しくなる寒中を前に厳粛な新年を迎えます。
元日の早暁に汲む若水。瑞々しい力に満ちた水は大福茶に、雑煮に用います。正月、家々に迎えるのは、歳徳神という神さま。
この神さまが訪れるお目出度い道が恵方と呼ばれ、かつて家々では恵方棚を設け、鏡餅などを供えました。床の間に三方を置いて、飾るようになったのはそののちのことです。
江戸にいる芭蕉が、関西の蓬莱飾を懐かしがった正月の句があります。
蓬莱に聞かばや伊勢の初便り 松尾芭蕉
伊勢神宮では歳旦祭、元始祭、一月十一日御饌と新年を寿ぐ儀式が続きます。終日参拝ができるのも年末年始の期間だけ。
初めてのお参りを初詣、初参といい、伊勢神宮へは初伊勢と特別に呼び慣わします。
新玉の年を祝い、今年一年の無事を祈りたいものです